簡単に言うと、経済学は人間の行動を対象としている学問です。中でも人間の意思決定を分析することに重点を置いています。経済学は景気や失業、税金などいわゆる「経済」と言われるものを扱う学問でもありますが、近年の学問の発展により、法律や都市開発、政治、心理、脳の働きなど他の学問と重なる分野も分析の対象としている応用範囲の広い学問です。
経済学も商学もどちらも経済の世界を研究対象にしていますので、確かにある程度似ています。これらの違いはどこにあるかというと、まず、その研究対象が、商学は特にビジネスの世界であるのに対して、経済学の対象には、政府や自治体の活動も含まれるという点があります。大学案内などで、2つの学部のカリキュラム表を見てもらえればわかると思いますが、商学部の科目は、ほとんどがビジネスに関連しているのに対し、経済学部の科目の中には、「財政学」「地方財政論」「租税論」「社会保障論」「公共経済学」といった政府の活動に関するものがあります。また、学問の特徴として経済学は理論的色彩が強いの対して、商学は実務的色彩が強いということも相違点です。経済学部のカリキュラム表にある「○○理論」や「△△経済学」という科目では理論的な内容が論じられます。一方、商学部では、「簿記原理」「原価計算論」などの会計系の科目では会計実務について学ぶことができます。「ビジネスコミュニケーション実務」という科目もあります。また、これら以外にも多くの科目で、特定の産業の成り立ちやその産業での実務に役立つ知識を学ぶことができます。
本学経済学部の特長は、経済学科と産業経済学科の2つの学科から成り立っており、理論と実践の双方を学ぶことができるところです。理論を学ぶことで思考の幹を育むことができ、実践で現実社会を体験することができます。
経済学科では経済学の理論の習得に力を入れ、習得した経済学理論に基づき”生きた経済”を学習し、現代社会を強く確かに生き抜くための能力を身につけます。産業経済学科では、調査・分析を重視し、より実践のための経済理論と情報リテラシーを身につけます。
経済学の勉強では数学に苦手意識がない方がいいというのは事実でしょう。でも、あなたはなぜ数学が不得意になったのでしょうか。大学受験のための高校の数学とは違い、経済学部で学ぶ数学は実際の経済や企業の問題を考えていくための道具なので、きっと興味が持てると思います。
産業経済学科には、学生自らが街に出かけて調査をしたり、経営者にインタビューをしたりという講義があります。こうした活動を通して、理論のみにとどまらない理解や実践的な能力を身につけることができます。調査や話し合いの成果はプレゼンテーションやディスカッションを通じて深められていきます。このような活動は実社会での仕事にも直結する力を養うことにつながるでしょう。
経済学部では、バラエティーあふれる内容を学ぶことで幅広い視野を持ち、総合的に時代や社会を見る力を養います。税理士やファイナンシャル・プランナー、教員などの専門職を目指す学生を支援していますので、いろいろな資格試験にチャレンジしてみてください。