教員紹介
教員インタビュー
Interview
教員インタビュー
歴史を通して今を知る
経済学科
瀬戸林 政孝 教授
研究テーマ
私の研究分野は「経済史」です。「経済史」とは、我々が現在生活する世界がどのように形成されてきたのか、経済を通して学ぶ学問です。
例えば、我々は毎日買い物をします。その際、あまり気にすることはないですが、様々なルールがあります。買い物をする際、円以外のお金を使う人はいません。買い物では「円」を使用する。これも一つのルールです。別の事例も紹介しておきましょう。必要な商品を買ったにもかかわらず、袋の中には別の商品が入っていた、なんてことは現在の日本ではないでしょう。これは、お店の人が、商品を買った人を騙してはいけない、騙したら罰せられるというルールがあるからです。つまり、商品の買い手にも売り手にも様々なルールがあるのです。我々がこうしたルールを当たり前のように守っている理由は、我々の多くは普段あまり気にしていませんが、市場経済という経済が上手く成り立つ仕組みを受け入れて生活しているからです。そして、市場経済が成り立つために、簡単に言い換えると、我々が安心して毎日買い物をしたり、商品を売ったりするために、様々なルールが存在するのです。
しかし、市場経済や様々なルール等は、最近導入されたものではなく、非常に古くから存在し、徐々に形を変えながら発展してきたものです。そのため、現在我々の周りに当たり前のように存在する市場経済やそれを支える様々なルールを理解するためには、市場経済がどのように変化してきたのか、どのようにルールが作られてきたのかを考える必要があります。
研究対象とする地域・時代
私の研究では、19世紀から20世紀前半におけるアジア、特に、中国の市場経済がどのように形成され、そして、どのような特徴を持っていたのかを解明しています。この時代は、日本では長い江戸時代が終わり、世界との貿易が拡大する時期にあたり、欧米人だけでなく、中国人との取引も拡大していきます。しかし、国籍の異なる人達が商品の売買を行う場合、困ったことはなかったでしょうか。会話をする際に、言葉の違いはどのように克服したのでしょう。初めて出会った外国人をどのように信用して取引を始めたのでしょう。もし、取引をする相手に騙されたら、どうしたのでしょう。このような問題がどのように解決されながら、市場取引が円滑に行われるように市場経済が進展し、そして、東アジアの経済発展が進んでいったのか、日々悩んでいます。
学生へのメッセージ
私の問題関心に引き付けながら経済史という学問を紹介してきましたが、経済史は我々の身の回りにある様々な経済事象を学べる学問です。経済史を通して、我々を取り巻く世界がこれからどのように変わっていくのか、学生が考えるようになってくれたらいいなと思っています。
(2023年4月13日公開)